特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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人とふれあうこと

[3年生]

今週はどのように相手の役に立つことができるでしょうか。
新しいボランティア先として、近くのデイサービスを行っている福祉施設を
訪問することになりました。
子ども達にそのことを伝えると、「何のお手伝いするの?」「手品とかするの?」と
疑問が飛び出します。
昨年の同じテーマ学習で先輩達が和田ふれあいの家を訪れたことを知っている子ども達。
一体どんなことをするのかと期待と不安が伺えます。

そこで、今度訪れる和田ふれあいの家とはどういうところなのか、オリエンテーションを
行うことにしました。
まずは、施設の資料を読むことで、ふれあいの家では人生の先輩たちが、食事をしたり、
レクリエーションをしたり、リハビリをしたりして過ごされていることを学びました。

「今回のボランティアの目的は何だろう?」と子ども達に問いかけると、少し間をおいて、
「デイサービスの利用者の方々に楽しい気持ちになって頂く、かな。」という答えが
返ってきました。

(おっ、その心構えやよし!)

ボランティアとは単なる作業のお手伝いではなく、それを行うことでどのように
相手に役立つか意識して行動することが重要です。子ども達の発言から頼もしさを感じました。

そして、ボランティアに臨む上で気を付けるべきことを強調して伝えました。

・利用者の方々は人生の先輩であることを忘れず、丁寧な言葉遣いで接すること
・相手に聞き取りやすいように、ゆっくりはっきり話すこと
・施設内を急いで移動しないこと

前回の綿布切りとは違って、実際に「相手」と接する仕事である今回のボランティア。
子ども達も真剣な表情でしっかりと聞き入っていました。

翌日、施設を訪問すると、スタッフや利用者の方々が温かく迎え入れてくれました。

自己紹介では、オリエンテーションの注意事項を意識して、大きな声でゆっくりはっきり
話すことができました。利用者の方々から「かわいいね~」「しっかりしてるね~」と
お声をかけて頂きました。

早速、当日のレクリエーションである風船バレーのお手伝いです。
点数の記入が主な仕事でしたが、それ以外にもコート外に出そうになるボールを戻したり、
負けているチームの応援をしたり、ゲームの盛り上げに一役買っていました。

その後のリハビリ体操では、利用者の方々にまじって一緒に体操に加わりました。
「どこに住んでるの?」「身体が柔らかいねぇ」ご年配の方々が子ども達に話かけてくれます。
初対面の人と話をするのがあまり得意ではない彼ら彼女達でしたが、会話を
続けようとする姿勢が見られました。
利用者の方も子ども達を見ているだけでとても楽しそうな様子でした。

最後に、剣道を習っていると自己紹介したRくんに、利用者の方から剣道の素ぶりの
リクエストがありました。
施設に竹刀はありませんでしたが、利用者のある方が杖を貸してくださって、
面の打ち込みを披露することになりました。

「めーーーんっ!!!」

拍手喝さいを頂き、彼も非常に嬉しそうな表情を浮かべていました。

その後の振り返りでは、

「風船バレーは参加しなくても、楽しかった。」
「丁寧な言葉遣いで話すことができた。」
「ボランティア中、ぼーっとしていなかった。」

と良かった点がたくさんあがりましたが、
その一方で「もっと自分から話かけた方がよいかも」という改善点も見えてきました。

そんな中、ある子どもから「何かわからないけど、あったかい気持ちになった」という意見が
ぽろっと出てきました。もう少し掘り下げて聞いてみようと質問してみたのですが、
当の本人もその理由はよくわからない様子。

今回のテーマで目指すところが、「相手のためにとことん動いてみると、おもいがけない
自分とのつながりが見えてくる」であることは、子どもたちに初回の授業で伝えています。
おぼろげなその何かを、今後も活動を通じて、見つけていきたいと思います。

HY

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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