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DNAを「本質に迫る問い」で分解する(5・6年)

[5・6年生]

遺伝について子どもたちが抱いている「先行知識」がイメージマップ
で明らかになったところで、その「先行知識」を「ゆさぶる」過程に
入ります。

知ったつもりになっていること、さらに知りたいと思っていることを
ターゲットとして、「先行知識」をつき崩し、新たに構築し直さざる
を得ない状況を設定し、子どもを「ゆさぶる」。「探究教師」として
学びの場を作ってゆく上で不可欠な重要ポイントです。

イメージマップから浮かび上がったターゲットは、やはり “DNA”

先輩たちが一昨年行った、今回と同じ内容のテーマ学習で発表した
DNA の歌をなんとなく覚えていて、A T G C という4つの「塩基」で
DNA ができているらしいことを多くの子どもたちは知っていました。
しかし……「塩基」とはなんのことかさっぱり知らないし、この4つの
「塩基」が組み合わさってできた配列にどんな意味があるのかは理解
していません。

また、二重らせん構造についても、イメージマップ作りの際に、イラス
トを描いて説明してくれる子が何人か現れましたが、その絵はまちまち
で、“なんとなく”という理解のレベルでした。そして、なぜ DNA が
「1本」ではなく「2本」なのかといった「問い」を持ったことなど
ありません。所詮、浅い「興味」でしかないのです。

重要な概念(今回の場合は DNA )にターゲットを定めて追究をスタート
すると、いろいろなことの「つながり」が明らかになり、これまで持っ
ていた知識が適切に更新され、認識の変化が起き、深い理解へと到達
する!

このことを子どもたちに実感してもらうためにDNA について徹底的に
知る学びを「仕掛け」ました。

とはいえ、ただ「追究」のための「知識」を提供すれば、知識が更新
され、認識が変化するわけではありません。そこでカギを握るのが、
「本質に迫る問い」に基づいて「知識」を獲得してゆくことです。

今回、6年間積み重ねてきた学びをふりかえる意味でも、拙著『探究
する力』で明らかにした6つの「本質に迫る問い」すべてを用いて、
DNAという概念を「分解」し、その「問い」を解き明かすのに役立つ
「資料」を集めてテキストを作り、子どもたちに渡しました。

実は、6つの「本質に迫る問い」は、IB PYP で用いられる6つのキー・
コンセプト(Form・Function・Causation・Change・Connection・
Perspective)に対応しています。これまで、子どもたちはテーマ学習の
際に、この6つのうちのいくつかを用いて「問い」を立て、追究を進め
てきました。しかし、まだまだ自分で「意識」して、この6つの「問い」
を使いこなすことはできていません。

「本質に迫る問い」による適切な「問いかけ」は、課題解明の方向性
を指し示す「サーチライト」になります。したがって、テーマ学習を
通じて子どもたちに身につけてもらいたいのは、「本質に迫る問い」
について習熟し、今後直面するさまざま課題に対処するときに、自ら
適切に「問い」を立てられる力です。

DNA はどんな構造になっているの?
DNAはどんな役割を果たしているの?
なぜ子孫を残すときにまったく同じDNAを伝達しないの?
DNAの突然変異を引き起こすメカニズムは?
DNAと進化はどうつながっているの?
双子のDNAは完全に一致するのに、同じように成長しないのはなぜ?

子どもたちに配ったテキストは、以上6つの観点から構成されています。
このようにテキストを構成することで、改めて 「本質に迫る問い」に
ついて子どもたちに「意識」してもらうとともに、何かを追究する際に、
いかにこれらの「問い」が有効かということを「体感」してもらいます。

「テキスト」を用いる学びなのですが、知識を系統的に羅列している
わけではなく、1つの「概念」を適切な「問い」によって分解し、その
「問い」に基づいて「知識」を構成してゆく流れになっているので、
個々の「知識」どうしをむすびつけるストーリーが学びを通して浮かび
上がってきます。この結果、獲得した新たな知識どうしが結びつき、
既有知識と関連づけられ、化学反応が生じ、新たな概念理解、認識変化
につながるのです。

今週と来週、このテキストを用いた学びは続きます。どんな化学反応
が起きたかについて、次週、報告したいと思います。

RI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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