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さあ Report だ!

[6年生]

最終週は、ここまでリサーチしてきたことをまとめる作業です。

「おっちゃんはできあがったのをチェックしてくれればいいから」

子どもたちがミッションを自らのものとし、そのミッションを自ら課題化し、追究を
進めてきたという自負を感じました。これが6年間テーマ学習を積み重ねてきた
底力でしょうか。

今回は、科学者が学会で発表するスタイルでいく!ということは学びの当初から
伝えていました。子どもたちはテレビのニュースやドラマで、学会発表にパワー
ポイントが用いられているのを見たことがあるので、自分たちもパワーポイントで
発表する気満々でした。

小学生にパワーポイントを使わせるときに絶対に気をつけなければならないことが
あります。1つは、発表する中味、書かれた文章が大したものでなくても、体裁だけ
整うのでなんとなくよいものができたような気にさせてしまうこと。そして、もう1つ
は、先生が文を打ち込み、発表時も操作し、子どもが先生の操り人形となるような
発表をさせてしまうことです。

この子たちは、前回の「駄菓子屋経営」のテーマ学習で、パワーポイントを用いて
「経営報告」をしたことがあり、パワーポイントのスライドの作成方法、操作方法を
理解していました。したがって、あと彼らに確認することは、

“中味”!つまり、どんな内容をどんな構成でまとめるか決めること

です。結局、これはパワーポイントを使おうが使うまいが発表においてもっとも
肝心な部分です。ここがバッチリ決まらなければどんなにIT機器を使ってもダメな
発表にしかなりません。

「まずはミッションだね」

今回の学びの「目的」となるミッションを知らせることが第一。次に、このミッション
を達成するために追究した「課題」は?それをどう調べた?理論的な裏づけは?
その理論にしたがってどんな実践をした?その結果、どんなことがわかった?
今後の展望は?というように、子どもたちと議論しながら、これまで行ってきたこと
を整理しました。「おっちゃんはチェック役でよい」と言い放っただけのことはあり、
話し合いはサクサクと進みました。

これでスライド全体の構成と流れが決まりました。あとは流れに沿ってスライドに
書く「文章」を作成してゆくだけです。

「課題は……えーと、ボールをどうすれば遠くに飛ばせるか?かな」

学習ファイルにこれまで書きためてきたノートを見直してある子が文章を作ります。

「飛ばすだとバットで打つみたいだよ。投げるの方がいいんじゃない?」

他の子がよりよい表現になるように建設的な助言をします。こんなやりとりを繰り
返し、3人で協力して、文章表現を磨いてゆきました。子どもが自律的に探究する
ようになると探究教師の役は、子どもの言う通り“チェック係”に過ぎません。

「順番は?」「ワンシートワンメッセージになってる?」「なんか足りないな?」
「もっとよくなるんじゃない?」

というようにフィードバックするだけです。

子どもたちがいちばん知恵をめぐらし、工夫したのは、自分たちの実践を通じて
発見したメカニズムをまとめるスライドでした。自分たちで撮影した動画をコマ送り
再生して静止画にしたものを、パワーポイントのスライド上に並べ、連続した動きを
見せました。スライドの上半分にメカニズムを意識する前の投球動作の連続写真、
下半分に記録を伸ばしたときの投球動作の連続写真を示し、上下を見比べて、
身体の使い方がどう違うか、分析できるようにしたのです。さらに、写真の一部を
拡大したり、見てほしい部分に矢印や〇を描いたりして、わかりやすく説明する
ために工夫されたスライドを作成してゆきました。

「ひじしか使っていない投げ方が、足で生んだ力を活かして身体全体を使った
投げ方に変わったんだよね」
「ひざの角度が、記録を出したときの方が小さいから、より軸足に力をためこんで
いると思うんだよね」
「ぼくは、他の人よりも手首のスナップをきかせている。だって、他の人は腕全体
がワイパーみたいに動いているけど、ぼくのは手首の部分だけ曲がってる!」

できあがったスライドを見ながら、子どもたちは、分析した結果到達した自分たち
なりの解釈を語り始めます。それは、自分たちが調べたことを「根拠」にして、
身体のメカニズムを「意識」して動かした結果、創り出した「オリジナルの知」です。

スライドがすべて完成したとき、子どもたちの頭の中はさらに整理されました。
したがって、改めて、細かく発表練習する必要はありませんでした。覚えた知識
ではなく、自ら創り出した知識を発表すればいいのですから当然と言えば当然
でしょう。子どもたちは、自信を持ってテーマ発表へと臨みました。

RI

TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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