タイトル:似て非なるもの
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「私たちは過去を受け継いで、未来を創り出す。」
[5・6年生]
先週に引き続き、DNAに関する資料をkey conceptsで読み解いていきます。
今週はchangeとconnection。
DNAの塩基が突然変わる「突然変異」はなぜ起こるのか。
「そりゃ、コピーミスでしょ。」と、もうそんなことは知っているよといった様子。
でも、それだけではないことがわかってきます。
そのひとつが活性酸素。
体の中で有機物が分解されたときや放射線にあたったときに発生し、突然変異を引き起こすとされています。
専門的になるほど内容も難しくなってきます。
「有機物が分解される」ということよりも「放射線にあたったとき発生」の方が印象に残ります。テキストと並行してNHKスペシャルの映像を見たとき、酸素を吸うことで体内に活性酸素が作り出される場面があり、「放射線だけじゃないんだ。」とつぶやきが聞こえてきます。7人いれば7通りの理解の仕方があり、自分の知らないことを知ったり、意外性があったり、知っていることと繋がったりしたときの発言もまた様々な視点であることが伺えます。
突然変異によって、病気になりにくいタンパク質を生み出すこともあれば、病気を引き起こしてしまうこともあります。また、爆発的な遺伝子の変異から生物は進化を遂げてきたこともわかってきました。
「爆発的に変異が起きたときは、爆発的にガンになる生物がいたってこと?」
確かに、変異の積み重ねはガンに繋がるならば、起こり得るかもしれません。
変異にはいい面もあれば悪い面もある。本来は、コピーミスが起きれば修復するようになっています。
DNAの傷を修復する酵素があり、それを監視する酵素もある。さらには、直しきれないとわかれば、それを破壊する酵素が出てきます。説明では、細胞の自殺「アポトーシス」とあります。
「自殺じゃないよ。殺されてるし。」
「でも、全部自分の体の中で起きているよね。」
「体の中だけで物語が書けそう。」
「修復に監視に破壊?!すげーな。」といってメモを取る子もいます。
「修復されないとガン細胞になるんだ。」
始めに言っていた「突然変異がコピーミスによって起こる」という理解が「突然変異はコピーミスを修復できなかったことによって起こる」という理解へと変わっていきます。
また、遺伝子の突然変異に関係しているとされる早期老化症が幼い頃に発病する場合もあれば、30歳で発病する例もあることを知ると、「じゃあ、今、持ってるかもしれないんだ。」と病気になる遺伝子を持っていても、すぐには発病しない場合があることを自分に置き換えて理解していっています。
DNAと体質・外見・能力・性格との関係に関する話では、スポーツの能力を左右する遺伝子で盛り上がりました。テキストには「筋肉をつくるタンパク質の一種“αアクチニン3”は速筋にしか存在しないタンパク質であり、速筋が多い人は短距離型といわれている。このタンパク質の設計図である遺伝子には、正常なタンパク質をつくれるR型と正常なタンパク質をつくれないX型があり、オリンピック選手では、R型を2個もつ人(RR)はスプリント系の種目の選手に多く、X型を2個もつ人(XX)は持久系種目に多かった。」と書かれています。
「オレは短距離・長距離、両方とも得意だからRX型だ!」
「速筋!あれ、何かで出てきた。知ってる。」
「「Body & Soul」いや、「心に栄養」かも。」
「速筋」という言葉に反応して、ここでその言葉を聞くとは!と言わんばかりの驚きよう。ほかのテーマ学習のときに話題になっていた「速筋」が遺伝子と関係していたことに意外性を感じ、思わぬところで繋がったことを喜んでいるようにも見えます。
前半は知らないことを知る3週間となりました。
ときにはダラっとしてみえることもありますが、自分の中で理解しようと頭をぐるぐるさせているからこそ、自分の言葉で置き換えて解釈が合っているか確認してみたり、何かと繋がったときには多いに盛り上がったりと理解を深めていってるようです。
理科でも繋がるトピックを扱っています。
鶏レバーからDNA抽出実験!
白くなっているところがDNAの束です。
「DNAって色ついてなかったんだ。」
「CGの映像はわかりやすくするために色がついてたんだね。」
AN
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。