[3・4年生]
私たちは日々何らかの意思決定をして過ごしています。ですから人生は”意思決定の連続”と言うこともできるのではないでしょうか。
このテーマ学習ではいくつかの選択肢を意識しながら、責任の伴う 意思決定をどう行ったらよいか様々な方法で探究していきます。
テーマ1週目はまず意思決定とはなんだろう?ということについて考えることからスタートしました。
「意思って辞書で調べると”思っていること”や”考え”って書いてあるから、覚悟を示すみたいな意味じゃないかな?」
とある子が発言しました。
「じゃ決意するみたいな意味かもね。」とまた別の子が言います。
「ただ決めるのと決意って違うよね。決意ってなんか少し難しいけどがんばって達成する目標みたいな感じがする。決意って言うからには口だけじゃダメだよね。」
だんだん議論が面白くなり、核心を突いてきます。
「意思が弱いとか言うじゃん。この言葉って自分が決心したことをやり遂げない時に使うよね。三日坊主みたいにさ。」
そこで私から「みんなが最近した意思決定をそれぞれ聞かせてくれるかな?」と問いかけました。
「うーーーん。意思決定ってほどの決意はしたことがないかもしんないなー。」と悩み始める子どもたち。
「たしかにー。そこまですごい決断はしたことないな。」
「意思決定って”ぼくはこれからずっと友達の悪口を言わないことにします”とかやることを決めて宣言するようなことだよね?」
どうやら子どもたちは重要な意思決定のみを意思決定というと思い込んでいるようです。
そこで、「じゃあ外へ出掛ける時にもう一枚上着を着ていくことにした。とか、缶ジュースを選ぶ時にこのジュースに決める。とか、お小遣いで買うものを自分で決めたりすることはどうかな?それも意思決定じゃないの?」と言うと
「あ!そっか!それも意思決定と言えば意思決定なんだ。じゃ毎日行動するたびに意思決定をしてるってことになるのかな?」
そこで日常的に行なっている意思決定についてどんなことをしているか聞いてみることにしました。すると•••
・ブックオフにこの前古本を売った。
・10時間でマリオを十個クリアした。
・松岡修造の本を予定通り読んだ。
・リニアモーターカーに乗った。
・野球の試合でヒットを打つために毎日素振り練習をすることに決めて、ヒットを打つことが出来た。
・筆箱を開けた。
・恥ずかしいけど発言した。
など毎日行なっている行動も意思決定があって選ばれていることを少し意識することが出来たようです。
翌日は普段自分が行なっている意思決定の判断基準はいったい何なのか、ふりかえって考えてみることに。
それぞれに自己分析をしながら自分にはどんな判断基準を選ぶ傾向があるか話し合います。
「ぼくは“面白い”かどうかで決めることが多いかな。ゲームやマンガもそうだし。」
「見た目だけじゃなくて中身も考えて決めるってぼくも同じ!見あたわざれば即ちなんとかの中身知らずって孔子先生の言葉にもあるよね。」とKくん。
「“損得”ってのもあるな。」
「“欲望”もある!」
「“気分”で決めちゃうこともある。」
「おれは優先席には空いてても疲れてても座らないよ。」
「それは”男の生き方”っていう判断基準だ!」
「えーー、けどそれってやせ我慢じゃないの?やせ我慢は身体に良くないんだよ。」
「Tくんは“現実的”だねー。“現実的”に決めるって判断基準じゃないの?」
「じゃあさあその逆に”理想的”かどうかで決めることもあるよね。」
「あと本当はこっちがいいけど、まあこっちでいいやって決めることもある。」
「あ!それって“妥協”ってことか。なるほどなるほど。それもあるね。」
とみんなでひらめきをシェアしているうちにどんどん自分たちの判断基準が浮かび上がってきました。
来週はそれらの判断基準を意識してケーススタディを行ないます。
2週目もはりきっていこう!
YI
※TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。