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“情けあふれる未来”ってどんな未来?

[3・4年生]

今週でテーマ学習も3週目に突入。子どもたちとは先週の金曜日にアートのクラスと連携し、アウトプットについてのイメージを語り合いました。

このテーマでのアウトプットは6人で”情けは人のためならず”ということわざが表すように”情け(辞書の意:思いやり・人情味あふれる行動)”が巡り巡って創られていく”情けあふれる未来”の絵を共同で描くこと。

そのイメージを膨らませるべく、アートクラスでピカソのゲルニカを鑑賞しました。
まず数分はじっくりとゲルニカを眺め、その後気づいたことや感じたことを話し合います。

「牛の口の中に、なにかナイフみたいなものがあるよ。」
「他の動物にも同じものがあるんだよ。」
「この女の人の腕の中にいるのはこの人の赤ちゃんなんじゃないかな?」
「ひょっとして赤ちゃんが亡くなって悲しんでいる絵なんじゃないの?」
「暗い感じがする。戦争のことを作者は伝えたいのかな?」
「このとがったのは剣だ!剣がいろんなところにある。この作者はどんなメッセージを言いたいのかな?」

子どもたちは一枚の絵をじっくりと鑑賞することに慣れてきているだけあって様々なことを発見し、疑問を持った様子です。

翌日、クラスで自分たちが作り出す“情けあふれる未来”のイメージ像についてディスカッションを行いました。

「あいさつとかお礼をきちんとみんなが言えるようになってほしい。だって今はできてないじゃん。」
「あと電車で当たり前にお年寄りに席をゆずるような未来。」
「エネルギーは自然エネルギーで発電して環境にいい社会。」
「飢えがなくて食べ物に困っている人たちのところに豊かな国が分け与える仕組みもある世の中。」
「お金が中心でまわってるから今の社会はおかしなことばっかりあるんだから、お金をゾロリのカードみたいにしたり、お金が変わればいいな。」
「あいさつとかお礼とか小さなことから大きなことにつながっていくってキーワードじゃない?だってフードロスも同じだけど小さな行動が大きくなっていくんだよ。」
“小さなことから大きなことに”というキーワードにはみんな響いた様子。一人一人の行動が世の中を変えることにつながっていくということにみんな納得しているようです。

「まるで事象の連鎖だね」とYくん。今までのテーマ学習の学びもつながってきています。

模造紙に書いた沢山出てきた“情けあふれる未来のイメージ”を見ながらその中の要素としてはどんなものがあるのかみんなで考えみました。

するとエネルギー、食、あいさつやお礼などの日々の気配り、自然を増やす、戦争がない、お金、ホームレスがいないなど自分たちが思い描く未来のビジョンが少しずつハッキリしてきました

翌日は近所のデーサービス「和田ふれあいの家」へボランティアをさせて頂きました。ここではお年寄りの方々と一緒にゲームをしたりお話をして一緒に楽しい時間を過ごすことが彼らの仕事。元気いっぱいな彼らは最初の自己紹介からあっと言う間に人気者に。みなさん彼らのことをニックネームで覚えて下さいました。

PIC_0375.JPGこの日は午後のレクリエーションタイムのすきやきじゃんけんゲーム(司会者にじゃんけんで勝ったらくじ引きをして、すきやきの具を全部集められたら勝ち)に参加し、グループごとの書記をつとめました。書記をしながらも自分のチームのじゃんけんの結果に大興奮の子どもたち。

「あ!ぼくたちもうリーチです!!しらたき来い、しらたき来ーい!!あー、また肉だーー残念。でもおれ肉大好きだからいいや。」と言うKくんの発言からみんなの好物話に展開していったりと終始笑いが絶えない楽しい時間を過ごすことができました。

書記もしっかりと行うことができています。

PIC_0381.JPGまた新年に戻ってくることを約束して和気あいあいと交流させて頂くことができました。


ボランティア作業を通して“相手の役に立つこと”を意識して行動することで、相手に喜んでもらうにはまずは相手のニーズを知ることが大切だと気づきました。

そういった利他的行動の一つ一つが広がっていくことでだんだんと社会が“情けあふれる社会”に変化していくというビジョンを描いて、冬休む中にHWとして各自で思い描く“情けあふれる未来像”を作成してくることになりました。

そしていよいよ新年からはゲルニカ風作品の共同制作に取りかかります。
さあ休み中に子どもたちはどんな未来を思い描くのでしょうか?

YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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