今日のスクール

  
  

第5回
長野農業体験合宿
2005年9月27日〜9月28日

   

今年5月10日の第1回からスタートし、とうとう第5回、今年最後の農業体験です。今回は、2つの感謝を目的として行いました。一つは、長野の自然と収穫物に感謝をすること。もう一つは、全5回を通してお世話になった長野の方々との出会いに感謝をすること。

今回の収穫物は、稲と、さつまいもと、きのこです。稲の収穫体験は、バインダーで一気に行いました。

ザクザクっと稲の束をつかみ、紐をグルグルっと巻き付け、右側にポーンと放すところまで機械がやってくれます。

後はその束を拾い集め、ハの字に広げてどんどん干していきます。

   

機械操作が上手な子どもたち。要領をつかんで、休み無くザクザクと稲を刈っていきます。いい顔!ナビ・大人も挑戦してみましたが、操作の怪しい大人には、子どもがぴったり横を付いて操作指導をしていました。刈った束を干す作業も、機械が束を投げる側から競うように拾い集め、ものすごくスピーディー。一人4往復が、あっという間に終わってしまいました。

6、7月と一緒にスクールで学んでいた短期留学生3人も、農業体験に来てくれました。「hi, sumimasen ne-! doitekudasai ne-!  arigato ne-!」とかけ声をだしながら稲の束を運んでいます。相変わらずパワフルな3人でした。

   

稲を刈ると、ぴょ〜んと出てくるバッタ、イナゴ、カエル。イナゴは後で食べようと、缶でつくった虫かごの中に、集めていました。「これ食べるのー?嘘だー!」。おんぶバッタや、おんぶイナゴ?もいました。右端の写真は、カエルが3段に重なっちゃっています。運が悪いカエルですね。

稲刈りが終了し、しばしの休憩時間、隣の山へもぐっていく子どもたち。行っていいのか悪いのか、それを気にするよりも、行けるか、落ちるか、それが問題です。

   

無造作に置かれた木の丸太、木に縛り付けてあるロープ。誰がなぜ付けたのかわかりませんが、実に冒険心がかき立てられます。森には栗やどんぐりがたくさん落ちていました。ブルーベリーがひからびたような、謎の実もありました。稲刈りの終わった畑ではいつもの相撲、、、倒れたら痛そう!そして一輪車レース。これまた危ない!でも楽しい!「農業体験があってよかったね!」ついついそんな言葉を投げかけたくなるほど、子どもたちの活き活きとした表情が気持よかったです。

場所を移してもう一つの大収穫、6月の第2回農業体験で苗を植えたさつまいも畑へ。

もはや茶色い土も、黒いビニールも見えません!さつまいも畑は一面グリーンです!

「えー!こんなになってるのー!!」

   

緑色の絨毯の下に、紫色の宝物が眠っています。それがまた大きい!!!宇宙船のような、なんともゴツい芋がごろごろと出てきました。一度掘ったからって油断してはいけません。まだまだ掘り残しが埋まっていますよ。

いろいろな形のさつまいもが出てくるうちに、バンクラスの子が、S状結腸(S字結腸)の形そっくりのさつまいもを発見しました。じゃあこれは大きいから大腸、これは小腸、これは十二指腸・・と、食道から始まって肛門で終わる消化器官を、サツマイモだけで再現していました。予期せぬところでテーマ学習の成果が出ました。まったく、面白すぎです・・。

   

夜は、前回のキャンプでお世話になった虹の会21の小沢会長への感謝会を行いました。小沢会長にあこがれ、弟子入りを宣言した子が、つくってきた自分の名刺を「よろしくお願いします」と会長に手渡しました。感謝会は子どもたちのモードの高まりと共に盛り上がり、予定していたマジックにとどまらず、クイズや歌や寸劇など、持ちネタオンパレードで感謝会を湧かせていました。小沢会長からは、子どもたちへメッセージが贈られました。「森の木々が強風でも倒れないのは、隣同士の木が根っこで支えあっているから。君たちも友達を支えあいながらみんなで成長してくれ」という、深くて暖かいメッセージでした。

翌朝、留学生たちがお家でつくってきてくれたケーキと牛乳で朝ご飯です。もうすぐ10月になる長野の朝はさすがに少し寒かったですが、手作りケーキのぬくもりと、楽しみにしていた子ども料理企画へのわくわく感で、寒さはふっ飛びました。でもやっぱり寒かったです。

   

子どもたちがスクールで考えてきたメニューは「さつまいもごはん」「さつまいもミート」「さつまいもスープ」「さつまいもサラダ」の4品。TCSの子どもたちは前回の農業体験までに全員火起こしの経験有り。それでも、やっぱり火起こしは容易ではありません。アスティでもらってきたマッチを何本も無駄にしながら、なんとか火を起こすことができました。

さつまいもご飯は、ほくほくのさつまいもをふんだんに取り入れて大成功。一方、さつまいもの上にひき肉をのせて焼くという発想のさつまいもミートは、ひき肉まで火が届かないという問題が発覚。「んー、どうするかなー・・」と悩み抜いたあと、茹でたさつまいもを粉砕して、ひき肉と混ぜ合わせて焼く「さつまいもハンバーグ」が誕生しました。

   

子どもたちが料理をしている間、大人チームは松茸ご飯をつくります。香りの強い、超一級国産松茸!ほのめかし程度の香りではありませんでした。ちょっと濃いめでおいしい「さつまいもスープ」、口直しにぴったりの「さつまいもサラダ」でさっぱりと、みごとに調和したブランチメニューでした。(※)古籏さんからいただいた猿の腰掛けはスクールの玄関に飾ってあります。

第5回農業体験、最後を飾るのは古籏さんへの感謝会です。感謝を込めて子どもたちから手渡されたプレゼントは、ごらんの通り「かかし」です♪

にこーっと笑ったかかし。スクールで放課後などの時間につくり、高速バスに積み込んでここまでもってきました。古籏さん、とってもうれしそうでした。

   

そして、バンクラスは、子どもたちが創作したシナリオに合わせて、ナビゲータのエイコとマコが即興で演じる寸劇を披露。若い男女のコミュニケーションギャップを描いた社会派ドラマです。たつッツクラスは、古籏さんら、長野でお世話になった方々へ似せた、手作り人形をプレゼント。最後にみんなで古籏さんへの感謝の気持を綴った寄せ書きをプレゼントしました。

古籏さんは、子どもたち一人一人にメッセージを贈ります。「バインダーの扱いが上手だ。スカウトしたいくらいだ。」「お相撲、強かったね、3回も負けた。」「来年はもっと、たくましくなって、来てください。」そして最後に大人へ。「この5回で、子どもたちは大進歩をした。素直になった。力をつけた。しかし、大人はどうだったのか。子どもと同じような進歩があったのか。自分も含めて、そのことを是非、もう一度、深く、考えてもらいたい。」

一人一人の子どもが、そして大人が、自分へ向けられたメッセージをしっかりと受け止めて、そして考えながら、半年の間お世話になった長野の方々と、竹風庵へ手を振ってバス停へと出発しました。



長野でお世話になった方々、協力してくださった保護者の方々、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。また来年も、素晴らしい体験にすべく、ご協力よろしくお願いします。ナビゲータとして、「来年も」と言うよりも、「来年こそは!」という気持ちで、わくわく・どきどきしながら取り組んでいきたいと思います!

MACO


  
  

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