今日のスクール

  
  


2005年5月10〜11日
第1回 長野農業体験合宿





雄大な山とのんびりとした畑、田んぼ、川原をバックにした子どもたちは、本当に生き生きとしていた。
バックにある風景が違うだけでこんなにも表情が違うのか?それとも、違って「見える」のか?

とにかく驚くほど「ぱっ」とした表情をしていた。
やはり、子どもには、自然をバックにする姿がよく似合う。

  

古籏さん宅へ到着。リラックスした古籏さん。「普段」の古籏さんが、わたしたちを迎えてくれた。
「これから、いろんな経験をさせてやろう」などという気負いは全く感じられない。
それが、子どもたちを安心させたのかもしれない。

牛乳で乾杯をし、そして早速「竹風庵」へ。
アスパラガスを収穫する子どもたちは、楽しそう。



  

わたしも初めてアスパラガスを収穫。包丁で切ったことはあっても鎌で切るのは初めて。
思ったより難しい。子どもたちの方が上手にこなす。
これ以上ないほどいっぱいのアスパラが集まり、そしていよいよ米炊き。



「さあ、やってごらん。」という古籏さん。
マッチに火がつかない!火がついても、すぐ消えてしまう!



試行錯誤の末、やっと釜に火がついた「バン」チーム。
まだ格闘している「たつッツ」チームに、アドバイスをしつつ、
火吹き竹で空気を送る彼ら。しかし、弱い。
「腹から空気を送るんだ」というアドバイスを受け、
顔を真っ赤にし、空気を送る子どもたち。

  

パチパチと燃え始めた。「おお!!!」という歓声。
煙を吸って「ああ、くらくらする〜。一酸化中毒だ〜。」



  

炊きつけとなる小枝を何度も集めに行き、山の下の方にはほとんどなくなってしまった。
その山は、「がけ」といっていいほどの急勾配。土は、とてもやわらかい。踏ん張れない。
ずるずると滑り落ちてしまう。頂上付近では、大きな枝を子ども2人で支え、

「ファイトー、いっぱぁぁぁつ!」

おもしろい。おもしろい。みんな「わはははは」と大声で笑う。



「えいこも来ないの?」わたしのことも引っ張りあげる。「まこー、ビデオとって!」
「今回は本当に本気で引っ張るぞ!!!大変だぞ!」ピーくんの号令にみんなが必死の形相。
・・・残念!「えいこのおしりしかビデオに映ってない・・・」とまこ。
あれほどいいCMが取れることはないのに。

  

頂上に開けた景色は素晴らしかった。そこにはまた畑が広がっていた。
大きな木の根元には、犬が入れるほどの穴がぽっかりと口をあけている。
古籏さんによれば、「狐」の住みからしい。探検探検!とわくわくしていると、
「豚汁が気になるから、降りる!」と後ろも振り向かず、
土煙をあげながらおしりですべり降りていった。

未知なる世界へ足を踏み込む子どもたちは、本当にいい顔をしていた。

 

「さあ、遊んだ後は仕事だぞ!」と古籏さんにハッパをかけられ、
なす、トマト、スイカ、かぼちゃ、パセリ、とうがらし、ピーマンの苗を植える。
そして、きびの間引きへ。難しい。「3cm間隔にするんだぞ。」
それどころか全くなくなってしまったところも。

それを見たリキさんに、「抜きすぎたら、また埋めればいいんだよ。」と言われ、
みな「ハッ」としたのではないだろうか。抜かれたきびは、もう
「死んでしまった」ものではなくて、土にきちんと埋めてあげれば、また再生するのだから。

抜いた雑草も、そのあたりに散らばしておいては、またそこに再生してしまうから、
きちんと集めなければならない。ちょっとしたことだけれど、実は大きな学びだなあと思う。
普段、何かを壊しても、ボタンひとつ押すのではなく、「再生させる」ことは少ない現代だから。



「アスパラ教」なるお祈りもできたり、子どもの感性は大人には到底想像が及ばないと感心する。
普段から、感性はいい彼らだが、人工的なものではなくて、あれだけの「自然」に接したから、
子供たちもより一層活きて来たのかもしれない。焼肉の鉄板を片付けようとしていたところ、
「片付けなくていいよ。夜、狐がきてそれをなめるんだ。」と古籏さん。今度は、子どもたちも
きちんと片付けも手伝って、古籏さんからその言葉を聞けるといいなあ、と思う。きっと驚くだろう。

一生懸命竹馬を作る子。竹でモノづくりに励むカズさんと、今回子どもと一緒に参加した2年生のお父さん。
お父さんもとてもいいナビゲーターだった。改めて、まわりの大人みんながナビゲーターになるんだなあ、
と確認。やはり「出会い」は宝だ。そして、自然も、自然体の人間も、子どもたちには必要だなあと思った。

長野での彼らが生き生きとしている姿を見ると、「自然」「自然体のいろんな世代の大人たち」の
大切さを非常に感じる。わたしも田舎で育ったけれど、これほど濃密に「自然」に触れ、
「自然体」の異なる世代の大人たちと過ごしたことはなかった。

「大人は子供の邪魔をしないことだな。」と言った古籏さんの言葉が、とても重く感じられた。

+++ エイコ +++

  
  

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