テーマ学習

2004年度テーマ学習(サイエンス系)

東京CSのサイエンス系テーマ学習では、子どもの「なぜ?」と思う素朴な好奇心を出発点として、具体的かつリアルな体験を通じて、小学校時代にこそ培うべきである科学に対する強い興味と関心、そして科学的な思考法の基本を育てます。

日本の子どもの理科嫌い、理科離れは、深刻な問題となってきています。それどころか、大人でさえ、自ら課題を発見し、科学的な思考に基づいて、解決の難しい問題に立ち向かう態度を身につけているとは言えません。これまで、学校で理科教育はなされてきたわけですが、なぜこのような事態を招いてしまったのでしょうか。私たちが注目したいのは、日本の小学校での理科教育が、既にわかっている知識を覚えたり、実験によって確認したりすることを主眼としているところに問題があるのではないかということです。それよりも、子どもたちが不思議だと思う気持ちを駆り立て、サイエンスは面白いという実感を持てるように、そして子どもたちが抱いた「なぜ?」を筋道立てて検証していくスリルを味わえるように導くことこそ、小学校段階の理科において重視すべきでしょう。

テーマ「電気って何だろう」
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光、熱、磁力、動力などの電気の主だった使われ方に目を向け、豆電球で明かりをつけたり、電熱線
を使い発泡スチロールを切ったり、電磁石を作ったりと毎回いろいろな実験をやりながら、いつも何気なく使っている『電気』を身の回りのことから考えました。

  細かくした銅線を使って、磁力の形を見る。

  ざわざわとうごく銅線にみんな夢中。

  鉄棒に銅線を巻いて、電磁石をつくる。

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地下鉄都営大江戸線の車両整備工場の見学へ行きました。

  

  
リニアモーターを切り口に、磁力と動力の関係について学ぶため、光が丘にある都営大江戸線の検収場へでかけました。大江戸線や地下鉄についての説明を受けたあと、安全のためヘルメットをかぶり検収場内へ。点検中の車両などを目前に見学し、点検済みの車両に乗車させていただきました。パンタグラフが電極にセットされ、電気が流れた瞬間、全車両の明かりがつき子どもたちから歓声があがります。そして運転室に入らせていただき、車両自動ドアの開け閉めをさせてもらうという貴重な体験まででき、それぞれに満足そうな顔をしながら検収場を後にしました。今回のテーマでは、いろいろな場面で電気の恩恵を受けていること、いろいろな形で使われていることに気づく機会になりました。


テーマ「これ、な〜に?」
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子供たちの前にピンクの不思議な物体。「何これ・・」と言わんばかりの顔。思い思いに調査を始めると、テーブルがピンクの物体でぐちゃぐちゃに・・。感じたこと調べてわかったことを自分がその物体に付けた「名前」とともに発表することに。原稿を見ずにアドリブで話す子、「つがる飴」など絶妙な比喩を使って説明する子など感心させられる発表でした。一人発表が終わる度にナビゲータにその評価をしてもらい、発表を聞いた人がどのように思ったのかということを受け取ることができたようです。


テーマ「とべ!!」
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飛ぶ動物とは?といったことについて、ジャンル分けをして考えました。『飛ぶ』ことについて理解を深めるため、第4回目には高尾山に登り、ムササビ観察。しかし、ただ観察に行くのではなく、事前に山登りの仕方、遭難したときの対応、ムササビの観察の仕方などを話し合い、準備万端でのぞみます。登山当日は、ムササビ観察日和と言わんばかりに天気は良好。午後5時には日が暮れて、いよいよムササビが動き始める時間です!みんな息を飲み、じっとムササビが出てくるのを待つもなかなか現れず、諦めかけた瞬間「グルルー」とムササビの鳴き声が!薬王院でも1・2を争うほど高い木の頂に2つの光!声を出して喜びたいところをぐっと抑え、少しの間ムササビとにらめっこ。「とべ〜」という願い届かないまま下山する子どもたちに、「グルルー」とムササビの大合唱。「また来てねー!」と言っているようでした。


テーマ「蚕糸Gone!」
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スクールの隣にある「蚕糸の森公園」。蚕糸試験場の跡地に作られた公園だ。「蚕糸って何?」「なぜ蚕糸試験場はなくなったの?」ということを子どもたちの「感覚」「体験」をベースに考えてゆきたかった。カイコガの作り出す糸を「絹糸」と呼んだ。じゃあ絹糸以外に他にどんな糸があるんだろう?さまざまな糸を引っ張って強さを比べる。木綿糸、麻糸、合成繊維、どの糸も子どもたちがどんなに引っ張ろうと切れない。しかし、絹糸だけは、ぷつっと切れて、繊維がふわっと広がる。なんとも優雅な感じ。子どもたちもその独特の糸の質感に驚く。「これが絹糸なんだよ。」その後、自分たちの着ている服で絹のものはあるかとチェックしてみる。当然ながらない。どうして絹糸でできた服は着ないの?蚕糸はどこにいったの?とってもよさそうな糸なのに、どこに蚕糸はGONE したのか。子どもたちは、絹糸を「感覚」でつかみ、そこから学びを深めていくきっかけをつかんだ。身の回りの何気ないことを題材とし、「実際の感覚」と「リアリティのある体験」をもとに進めることの意義を改めて痛感し、テーマ学習こそ、小学生の学びの根幹であると確信した。


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