テーマ学習

2004年度テーマ学習(社会系)

社会の中で人々がどのようにつながり、日々世の中がどのように動いているかについて、実際に「足」を使って調べるフィールドワーク、地域の人々への取材、図書館での資料調べ、実地体験等をおりまぜながら学びます。

学ぶトピックは、以下の6つに分けられます。

 1. スクール周囲の地域の姿(地理分野)
 2. 時代による地域や生活の移り変わり(歴史分野)
 3. 地域の人々の仕事とお金の流れ(経済分野)
 4. 地域の人々をつなぎ、まとめる仕組み(政治分野)
 5. 世界と自分の日常生活とのつながり(国際理解分野)
 6. 自然と人間とのつながり(環境分野)

これらのトピックは、従来の教科の枠で言えば、主に「社会」に属するものです。しかし、「テーマ学習」は、これらのトピックを、にほんご、さんすうやサイエンス系テーマ学習の中で習得したことを活用したり、さらに深めたりすることで、教科横断的な学びを行うところに特徴があります。この点で、東京CSの「テーマ学習」は「総合学習」と近い部分がありますが、調べるべきトピックをはっきりさせることで、従来の「総合学習」授業で批判された「狙いの不明確さ」という問題を解消しています。また、子どもの関心を引き出し、いろいろな手段を使って調べる楽しさ、調べた事柄を分析する面白さを体得できるような工夫を行い、「単なる遊びの時間」となってしまったり、ただ資料を写すだけだったり、インターネットで見つけた内容をプリントアウトして切り貼りするだけだったりという「おざなりの調べ学習」にならないよう配慮しています。「テーマ学習」によって、自分で調べたことをもとに、自分で考え、自分の頭で判断し、まとめるプロセスがしっかり身につきます。

テーマ「お金」
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日本銀行から私たちの手元まで、どのような流れでお金が動いているのか考えました。

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 お札と切手の博物館見学

お金(コイン)がつくられるのは造幣局。お札がつくられるのは印刷局。

  

真ん中の写真のようにお札は1億円でひとつの束にされて運ばれているそうです。持ち上げてみると、う〜ん!なかなか重いなあ!「持って逃げれるのは3億円が限界だ。」そんな感想を言っているとガードマンが近づいてきて、お金の通し番号や隠し文字などの話をしてくれました。

プラスチックでできたお札や金箔の張られたお札など変わったお札を見たり、お札ができるまでの製造過程を見てきました。

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お金って何でしょう。日本銀行の発行する1000円札と、ピーくん銀行の発行する100兆円札を並べて、どちらが欲しい?という質問。みんなの答えはもちろん日本銀行の1000円札。日本銀行にあって、ピーくん銀行にないもの・・・それは「信用」。この言葉をキーに、テーマ「お金」は進行していきます。



それぞれのお家に保存してあるめずらしいお金を持ってきてもらいました。インド、タイ、シンガポール、韓国、中国、イギリス、カナダ、メキシコ、ドイツ、イタリア、一気にワールドワイドな空間になりました。紙幣に印刷された、各国歴史上の重要人物を一人一人確認し、様々な模様(偽造防止の仕掛け)が施される紙幣や、ずっしりとした重みを感じる昔の貨幣に触れることができました。



年明けの偽1万円札騒動につづいて、500円の偽硬貨が問題となっています。偽物の500円をつくるのに、いったい何円くらいかかるのでしょうか。501円かかったらつくるだけ損をすることになってしまいます。1万円札に至っては素材は「紙」ですから、きっと安くつくれることでしょう。ということで・・・、



紙に印刷すればすぐにお金なんてつくれてしまうのだから日本銀行はどんどんお金を印刷してしまえばいいと思いませんか?、この質問にはさすがの子どもたちもタジタジ。実は、実際にそれをやってしまった国がある!ということで、ペソとタコスのメキシコの話になりました。お金のメカニズムに関する実話に聞き入る子どもたちでした。



「私が学生のころはお金なんてちょっとアルバイトでもすればたくさんもらえてしまう時代だった。だから私はアリとキリギリスの、キリギリスなんです。」



紙や金属でできているらしいことは分かっているけれど、具体的にどんな素材を「お金」に使っていたのだろうか、お札と切手の博物館見学を前に
予想を書き出してみることにしました。さあ、この中に、本当にお金として使われている素材はあるかな?



「あぶないことから身を守る!」
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スクール周辺(杉並区和田地域)には、どのような危険があるのだろう。危険を学び、安全を手に入れるために、「防犯マップ」をつくることになりました。

 

防犯マップをつくるにあたって、杉並区安全パトロール隊の大口さんからアドバイスをいただきました。大人の言うことを聞くのではなく、自分たち子ども自身の見え方、感じ方、考え方で危険なポイントを調査することが、何よりも大事で、必要なこと、と強調されました。

 

後日、杉並警察署の見学では、ルールを守れない大人に困っているというお巡りさんの話を聞き、やっぱり大人だけに頼っていられない!と確信した子どもたち。自分たちの感覚で、スクール周辺の家屋や空き地、公園を調査し、危険だと思うポイントを記録しています。君らが泥棒に間違われないように気をつけて〜!

 



テーマ「East Meets West」
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東京を代表するうまいものを探しています!高らかに目的を言うと、「うちは東京で最も古い歴史をもっていますよ」、「うちは産経新聞おみやげランクで1位を取りました」などなど、意欲ある子どもたちに店員が答える。神戸にある提携校ラーンネット・グローバルスクールへの2泊3日の研修旅行を含む全6回のテーマ「East Meets West」。東京と神戸の子どもが出会い、さまざまな違いや共通点を学ぶ一環として行われたのが、神戸へのおみやげ探し、東京のうまいもの調査だ。「味」「見た目」「匂い」「食感」などを自分たちの目や舌で評価・採点し、ポイントの高かったものをおみやげにしようということだが、見た目はともかく、味や匂い、食感は食べて見なければわからない。しかし、試食品のある店は限られている。子どもたちは事前に準備した“上手な質問のこつ“を使って、まずは礼儀正しい挨拶から、そして「オススメはどれですか?」「その理由は何ですか?」と容赦のない質問を店員に投げかけていく。そうしてお店の人と会話が進んでいくと、店頭に出されていなかった試食品が、店の奥、カウンターの下から出てくるところがたまらなく面白い。要領を得た子どもが「袋に入っていたら匂いが分からないなあ・・」と言ってみたりするそのやりとりは、大人が見ていて勉強になることばかり。一般客の邪魔にならないよう神経を尖らせるナビゲータだったが、店員と何やら話しこみ、メモをとる子どもに見物人が集まり、逆に店の宣伝に貢献しているほどだった。


(ラーンネット・グローバルスクールで東京のうまいものを発表)



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