特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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学びを Celebrate し、Encourage する

[6年生]

今年も6年生は、Exhibition に挑戦です。Exhibition とは、

自分が強く関心を抱き、熱意を持って追究したいと思うテーマを
子ども自身が選び、これまで培ってきた学びの方法論と経験を
総動員して取り組むプロジェクト

のことです。これを卒業研究としてまとめ、卒業式の日に発表する
というのがTCS流です。

10月から、週1回、1コマ、Exhibition の時間を設けて、どうやって
テーマを選び、どう追究するかについて子どもたちと考えてきまし
たが、テーマ学習の時間をフルに使って取り組むのは、12月から
です。卒業式は、3月18日。あと4ヶ月弱ありますが、途中、受験
もあったり、映画を撮影するテーマ学習もあったり、きちんと計画
を立て、効率的に時間を使わないとあっという間に時は過ぎてしま
うでしょう。

これまで行ってきたテーマ学習は、 教師が与えた「取り組む意義の
あるミッション」を追究するものでした。しかし、 Exhibition は
自らテーマを選びとるところからスタートし、自律的に追究を進め
てゆかなければなりません。

これまでは一緒に空を飛んできましたが、いよいよ単独飛行への
挑戦です。したがって、途中、いろいろな困難に出くわすでしょう。
安定して飛行することも、きれいに着陸することも難しいでしょう。
だからといって、私たちが手を差し伸べ過ぎたならば、結局、彼ら
自身の力を養うことにはなりません。生涯学び続ける人として第一歩
を踏み出したことを celebrate し、なりふり構わず取り組むように
encourage するのが私たち周囲の大人の役割です。

私たちができることは、「サポート」です。

テーマ決め、追究プランの立案、リサーチの遂行、まとめと発表準備
は、すべて子ども主導で行わなくてはなりません。

では……自信を持って子どもたちが「探究」できるように「サポート」
するとはどういうことなのでしょうか?

教師の「サポート」その1は、意義のあるテーマにたどりつくように
子どもたちの思考に寄り添うことです。Exhibition で絶対に避けなけ
ればならないのは、ただの調べ学習になってしまうことです。テーマ
を決めることだけに引っ張られると調べ学習の罠にはまります。そう
ならないためには、コンセプトを明確にし、そのコンセプトから導か
れた「仮説」にしたがって追究するように子どもたちを促すことです。

教師の「サポート」その2は、これまでテーマ学習でどんな学び方を
したか「ともにふりかえり」、これまで自分たちがさまざまな学び方
を既に経験し、身につけていることを確かめることです。ネット情報
は、最初の手がかりにはなるが、それだけに依存してはダメ。インタ
ビュー、調査、実験といった「1次情報」を大事にすること。得た情報
・データをもとにさらに「問い」を見出してゆくこと……といったこと
を一つひとつ確認し、これから行う追究に活かしてゆくように伝える
のです。

そして、教師の「サポート」の最後は、子どもたちの進捗状況をつか
み、フィードバックを返すことです。フィードバックが必要なのは、
当然ながら、どう進めてよいかわからず滞ってしまったとき。
ただやり方を教えてしまうのではなく、どこに問題があるのか一緒に
考え、どう打開していったらよいか協議し、少しずつ、自信を高め、
自らしぶとく突破してゆこうとする力を育ててゆくのです。

ここまで、教師の「サポート」について述べましたが、 Exhibition
では親の「サポート」も不可欠です。実は、これがとても難しい……
なぜなら、「サポート」ではなく「チェック&叱責」になってしまい
がちだからです。

「まだ、こんなことやっているの?」
「こんなこと調べて何の役に立つの?」
「もっと他のデータに当たりなさい」
「これじゃあ間に合わないでしょ」

どうしてもこんな言葉を発してしまうのではないでしょうか。
これでは encourage どころか discourage です。
親も子どもとともに「探究」するのを「楽しむ」という姿勢がなにより
重要です。どんなことに関心があるのか、とにかく「聴き」、役立ち
そうな知識・資料を探し、提供する。そして、「1次情報」を得るため
に、現地に出向いたり、現人との出会いをセッティングしたりする。
そのことに徹し、子どもが自律的に学ぼうとしている姿勢をとにかく
encourage する。

それが親として探究する学習者を育てる上での最大の「サポート」となる
ことを胸に刻んでおく必要があるでしょう。

RI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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